大地の芸術祭作品が地元に来ると、芸術祭が100倍楽しい!

新潟県も短い梅雨が終わりました。

今年の夏を乗り切れるか心配な、雪ふるさとの移住嫁こと、ふくしまみか(@ijyuyome_yuki)です。

 

前回の記事でご紹介した「高龍神社」の作品が、先日完成しました!

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作品を制作したのは、チリ出身フランス在住のアーティスト、エマ・マリグさん。

一応、大学は英語学科を卒業したこともあり、多少英語が話せるワタクシ。

日本語があまりできない彼女と地元の方たちとの橋渡し役として、色々とご一緒させていただく時間が多く、本当に素晴らしい時間と経験をさせていただきました!

 

龍神社と現代アートの共通点とは?

エマさんの作品のテーマは「難民」。

17歳の時に政変が起こり、故郷・チリを離れざるえなかった経験が元になっているそうです。

特に近年は、危険な航海をおかしてでもヨーロッパにわたるシリア難民をテーマにしているそうです。

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テーマは重いものですが、作品は本当に美しく、見る人を魅了します。

彼女いわく「難民は悲しいことですが、作品は詩的なものにしたい。そして苦しんでいる人の光になりたい」という想いが込められています。

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 京都に3年間住んでいたこともある、日本好きな彼女。

神社で作品を作成することを大変喜んでくれました。

 

エマさんの作品の設置場所として、高龍神社を選んだのは大地の芸術祭事務局ですが、エマさんもこの場所をとても気に入ってくれました。

「水」も彼女の作品のテーマであり、龍神様をお祀りしている高龍神社と、強いシンパシーを感じてくれたそうです。

「ここは私にとって特別な場所」と何度もおっしゃっていました。

 

地域の人のお・も・て・な・し

エマさん滞在中、地元の方との交流機会も多くあり、大変楽しんでくださいました。

まず、地元の方々約20名が参加した歓迎会。

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中条地区は、今まで「大地の芸術祭」にそれほど積極的でなかったので、20人も興味を持って参加してくださったのは正直驚きでした!

もともと「笹山じょうもん市」などで外に開かれた地区なので、土壌はしっかりあるんですね。

振興会の役員だけでなく、英語を勉強し始めたから、英語で話したい!という女性も来てくれたのは、個人的に嬉しかったです。

 

また、高龍神社からも近い笹山遺跡から発掘された、国宝・火焔型土器を見に博物館にもご案内しました。

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ちなみに、この火焔型土器「ナンバーワン」と、エマさんが住むフランスはちょっとしたご縁があります。

20年ほど前「ナンバーワン」がフランスで展示された時、当時のシラク大統領が予定の時間を大幅に超えて2時間くらい「ナンバーワン」を食い入るように見ていたそうな。

偶然なことに、今年の秋にも「ナンバーワン」はフランスで展示されます。

 

そして、作品が完成した後、地域の女性陣で結成したダンスグループで、縄文風ダンスを完成祝いにプレゼントしました。

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これには大変喜んでいただき、評判も良かったので、芸術祭開催期間中に特別イベントを計画することに!

素晴らしい作品を、大勢の方に見ていただくきっかけになれたらと思っています☆

 

大地の芸術祭」はまさしく“地域みがき”

今までただ見るだけだった「大地の芸術祭」でしたが、地元に作品を受け入れることで、より深く関わることができました。

今回の経験を通して、芸術祭が「地域みがき」にとても効果的なものだと身をもって感じました。

 

外からアーティスト、特に海外からの方を迎えることで、地域は刺激を多いに受けて生き生きとします。

言葉が通じなくても、不思議なもので2週間くらい一緒にいると最後にはなんとなくコミュニケーションがとれるようになるんですね。

龍神社の鍵を管理する地元の方が、片言の英語でも問題なくエマさんと交流できていたのには驚きました。

 

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そして、芸術祭によって高龍神社という地元の隠れた宝が再発見されました。

元々の神社の良さに、エマさんの作品の良さが加わり、新たな価値が創造されたのは素晴らしいことだと思います。

個人的にはエマさんの受入れを通じて、今まで知らなかった地元の方とつながれたことも大変良かったです。

 

地域の宝を再発見し、地域の人同士の団結力も高めることができる「大地の芸術祭」。

今回を機会に、今後も地元・中条で盛り上がっていけたら嬉しいです。

 

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大地の芸術祭アート meets 700年の歴史を持つ地元に愛される神社!

前回、越後妻有の3年に1度の芸術の祭典「大地の芸術祭2018」についてご紹介しました。

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ワクワクと公式ガイドブックを読みふけっている今日この頃の、雪ふるさとの移住嫁こと、ふくしまみか(@ijyuyome_yuki)です。

 

私が十日町に移住して以来、「大地の芸術祭」を経験するのは実は今回で3回目。

しかし、前回の2015年は知人の美大生を2日間案内したくらい。

その前の2012年は、正直作品めぐりをした記憶なし。

そこまで「大地の芸術祭」に大きな関心があったとは言えません。

 

ではなぜ今年は、こんなに「大地の芸術祭」熱が私の中で高まっているのか?

それはひとえに、住んでいる地元に作品がやってくるからです!

 

地元地区に新作がやってくる!

他地区に比べて、今までそれほど「大地の芸術祭」の作品誘致に熱心でなかった地元・中条地区に、今年は新作が2作品もやってくる! ということで、日に日にワクワク感が高まっています!

 

まず、JR中条魚沼駅に制作される、日本の注目若手作家チーム「目」の「Repetitive objects」。

www.echigo-tsumari.jp

前回の「大地の芸術祭2015」で大好評だった通称「コインランドリー」の作家さんなので、注目度は高いです!

憶測の成立 - 大地の芸術祭の里

 

そして、今回ご紹介する高龍神社に制作される、「アトラスの哀歌」です!

www.echigo-tsumari.jp

 

700年以上の歴史を持つ神社が会場!

「高龗神社」(以下、高龍神社)は、「こうりゅうさま」「りゅうさま」と地元で大変親しまれている神社です。

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この神社の歴史は、1333年にまで遡ります。

当時この地域を治めていた大井田一族の親子が、鎌倉幕府を倒さんと挙兵した新田義貞公に加勢しました。

稲村ケ崎の戦いの際、新田義貞公が刀を海に投げ入れ祈ると、海が干潟となり鎌倉に突入できたという伝説があります。

その様子を見ていた大井田経隆が、竜王に感謝し建立したのが「高龍神社」と言われています。

 

ま、詳しくは看板に書いてあります(笑)。

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そんな古い歴史を持つ「高龍神社」。

生い茂った木々が日差しを遮り、夏でもひんやりと涼しいスポットです。

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階段を上った先にある社殿の中に、作品が作られます。

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社殿の前には、土俵が。

地元の方に話を聞いたところ、昔は青年会が奉納相撲をしていたそうです。

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敷地がとても整備されていて、氏子さんたちが丁寧に管理されているんだと感じました。

8月末には地域のお祭りがあったり、近くの保育園の子どもたちが散歩に来ることもあるそうです。

地元から愛される、大変雰囲気のある「高龍神社」に、現代アートが作られたら本当に素晴らしいものになると思います!

 

実は、既に作品の制作は始まっています。

とてもとても美しい、素敵な作品です。

アーティストは、エマ・マリグさんというチリ出身、フランス在住の方です。

 


Reportage Maisons-Laffitte // Emma MALIG

 

ありがたいことに、色々と関わらせていただいているので、その様子はまた今後書きたいと思います!

ぜひ「大地の芸術祭」作品巡りの際には、高龍神社にもお立ち寄りください!

 

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「大地の芸術祭2018」開催まであと少し! 見どころは? 楽しみ方は?

皆さまは、今年の夏は何を楽しみにしていますか?

海? 花火? 旅行??

夏の楽しみはたくさんありますが、今年の十日町の夏は、なんといっても「大地の芸術祭」!!

今からワクワクが止まらない、雪ふるさとの移住嫁こと、ふくしまみか(@ijyuyome_yuki)です。

 

大地の芸術祭」とは?

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3年に1度、越後妻有(つまり)地域(十日町市津南町)で開催される、世界最大級の国際芸術祭です。

美術館に所蔵された作品を見るのではなく、野外に点在した作品をめぐる芸術祭は、現在日本全国で行われていますが、「大地の芸術祭」は2000年から開催されている芸術祭の先駆け。

国内はもちろん、海外からも大勢の方が訪れる十日町市のビッグイベントです!!

 

今年の「大地の芸術祭」は何が見どころ?

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先日、「大地の芸術祭2018」の企画発表会が十日町市で行われました!

総合ディレクターの北川フラムさんから新作や注目作品の発表があり、大変わくわくする内容でした。

 

中でも一番の見どころは、企画展「方丈記私記」!

越後妻有里山現代美術館「キナーレ」の回廊に27個の「四畳半」の空間が並びます。

 

なぜ四畳半かというと、中世という動乱の時代を生きた鴨長明が、四畳半の庵に住みながら「方丈記」の中で小さな場所から世の中を見つめたことに基づいているそうです。

グローバル金融資本主義の影響を受け、効率化・合理化・均質化という価値観が美術や建築にも展開し、その際たるものである「四畳半」を逆手に取り………

ということですが、まぁぶっちゃけ難しいことはよく分からない笑

 

とにかくすごいと思ったのは、この「四畳半」空間の作品が公募された際、248点もの応募があったこと!

国内・国外の著名な建築家やアーティストが、企画の趣旨に賛同し、あるいは面白がっているんだなぁと感じました。

「四畳半」の空間はただの展示物だけではなく、お酒が飲めたり、鳥獣被害対策を考えたり、美容室だったりサウナだったりと、日々の営みやイベントが行われていて、会場が仮想の「村」になるのです。

 

そして、この企画がさらに面白いところは、会期だけに留まらず、中心市街地に広がっていく可能性があること。

「これは最小単位の提案で、ここからなんでもできる」と北川フラム氏はおっしゃっていました。

十日町中心市街地は、まだまだ頑張っている方だとおもいますが、正直閉店するお店も増えシャッターが目立つようになってきました。

空き店舗に四畳半の世界が広がれば、日本中見渡しても珍しい面白い商店街になることでしょう。

なかなか一筋縄ではいかないと思いますが、いい方向になっていくことを期待しています!

 

どうやって楽しむといい?

大地の芸術祭2018」では、新作旧作あわせてなんと378点の作品が展開されます!!

有名な作品は基本有料なので、いくつか周るのであればパスポートを購入するのがおススメ。

 

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 一般は前売りが3000円、会期が始まると3500円なので、早めに購入するのが良いでしょう!

 

そして、作品は東京23区よりも広い越後妻有のフィールドに点在しているので、やっぱり車で移動できた方が楽です。

が、車の運転が不安な方、初めて越後妻有を訪れる方は、オフィシャルツアーをぜひ申し込んでみては?

www.echigo-tsumari.jp


主要な作品を巡り、しかもツアーだけの特別なランチを食べられるコースもあるので、地元の方にも良いと思います!

 

アートに興味がなくっても! 一度来てみて!

とはいえ、「アートに興味なんてないし…」というそこのアナタ!

興味がなくたっていいんです!笑

 

芸術祭を訪れた方のアンケートで、芸術祭の良かったことの上位3つは、実は

・地元のひとと話すことができたこと

・地元の料理を食べられたこと

・地元のお祭りに参加できたこと

なんだそうです。

 

芸術祭というビッグイベントを盛り上げようと、またはあやかろうと笑、多くの地元の人間がおもてなしをしたり、商品を売ったりしています。

旅好きな方、ひととの出会いが好きな方、美味しいものが好きな方、アートに興味がなくっても越後妻有の一夏の祭典を楽しめること間違いなし!

 

そして地元の人!!

行政は芸術祭に対しておおーきな投資をしています。

うがった見方かもしれませんが、楽しんでおかないと住民として正直損!

 

という訳で、泣いても笑っても、3年に1度の「大地の芸術祭」、ぜひぜひお見逃しなく!!

移住嫁ブログでも、どんどん情報を発信していこうと思います! 

 

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