ローカルヒーローと現代の世間師と地域を語る、贅沢な夜
雪ふるさとの移住嫁こと、ふくしまみかです。
昨日は、ギルドハウス十日町で行われた「ソトコト編集長指出さんとローカルヒーローのトークライブ」に行ってきました!
「ソトコト」は、「スローフード」や「ロハス」という新しいライフスタイルを提案してきた雑誌です。
2011年に指出さんが編集長になられてからは、「ソーシャル&エコマガジン」としてソーシャルに軸足を置いてきました。
近年では「移住」や「ローカル」に関する特集をよく組まれています。
そして、2016年12月には「ぼくらは地方で幸せを見つける ソトコト流ローカル再生論」という新書を出版されました。
指出さんが出会ってきた「ローカルヒーロー」たちを紹介するこの本の、象徴的な帯をかざるのは十日町市津池(ついけ)集落にある「ギルドハウス十日町」。
2015年5月にスタートして以来、シェアハウスであるにも関わらずのべ5000人以上の方が訪れる、十日町のコアなスポットです。
そんな場所で、指出さんと、この本に登場する「パーリー建築」メンバー河合くん、「十日町市地域おこし実行委員会」の多田さんとがトークイベントをする、というなんともワクワクする催し。
これは、行かないわけにはいきません!
トークイベントの最初は、指出さんが本では紹介しきれなかった、さらなる「ローカルヒーロー」を紹介してくださいました。
お話を聞いていると、指出さんがいかに地域で活躍する方たちに尊敬の念をもって、温かいまなざしを注いでいるかが伝わってきます。
今、日本で一番ローカルに詳しく、ローカルで活躍する方たちと広く交流がある方ではないかと思います。
有名な民俗学者の宮本常一さんの著書「忘れられた日本人」に、「世間師」という人たちの話が出てきます。
様々な場所を旅をした人たちのことですが、今みたいにメディアやネットが発達していなかった時代に、見聞きしたことをよその場所に伝えるという重要な役割も持っていました。
物知りな人として、人々から一目置かれる存在だったようです。
指出さんは、地域でおもしろいことをやっている人たちと出会い、話を聞き理解をし、その活躍ぶりをまた別の地域で話をされています。
私は、指出さんこそ「現代の世間師」だと感じました。
さらに言うと、指出さんが紹介する「ローカルヒーロー」をヒーローたらしてめているのも、指出さんだと思います。
本にも登場し、今回トークイベントでも話をした十日町のローカルヒーローは、私も普段よく接している方たちです。
特に、多田さんは同じNPOで働く仲間ですし、彼が池谷集落に移住した当初から知っている、非常に身近な存在です。
そんな多田さんの話を、指出さんの口から聞くと、また新しい発見をさせてもらいます。
現代の世間師・指出さんの目で多田さんを見ると、なるほどこういう風にうつるのか…と。
多田さんのよいところをとらえ、評価し、価値を見つけてご紹介されている様子を見ると、私にはまるで指出さんがシンデレラに出てくる魔法使いのように見えました。
魔法使いがシンデレラに魔法をかけて、彼女の美しさを王子に伝えたように、指出さんはローカルで活躍する人たちに注目し、「ローカルヒーロー」として多くの人々に伝えて下さっています。
(交流会では、あちらこちらで楽しそうな話で盛り上がってました)
指出さんのお話の中で、特に感銘したのは、
「地域にいった方が、会いたい人に会える。東京で異業種交流会に参加するより、ずっと価値のある出会いがある」
というお話でした。
私自身、そのことは池谷集落での交流イベントで実感しています。
イベントに来てくださる参加者の方は、様々なおもしろい経歴を持った方々が集まります。
きっと東京で暮らしていたら出会えなかった人たちに、どローカルである池谷集落にいると出会えてしまいます。
以前、ギルドハウス十日町のオーナーである西村さんにインタビューした時も、似たようなことをおっしゃっていました。
大勢の人が共同生活をして、トラブルは起きないんですか? と尋ねた時、西村さんはこのように話してくれました。
「山奥の限界集落にあえて住む人は、何かしら目的意識をもっている。
住民同士のシンクロ率が高いので、トラブルが起きにくいんだと思います。」
たとえば山奥であればあるほど、あえて行かなければ行きつかない場所であるほど、目的が近い人たちが集まり、シンクロ率が高まるということ。
地域というフィルターが自然とかかり、近い価値観を持つ人が集まるのだと思います。
実際今回のイベントに参加した方々も、地域おこし協力隊や地域で何かプロジェクトをしている面白い皆さんで、交流会は熱気に包まれていました。
(交流会の地元の母ちゃんたちのお料理も本当においしかった!)
ざっくばらんな感想になってしまいましたが、要は「地域は面白い!」ということにつきます。
私も、指出さんの足元にはまったくもって及びませんが、もっともっと十日町の楽しさをたくさんの人に伝えていけるよう、これからも頑張りたいです!
==こちらの記事もオススメです==
yukifurusatonoyome.hatenablog.com
yukifurusatonoyome.hatenablog.com
十日町雪まつりに行った気になれるレポ ~おまつりひろば編
雪ふるさとの移住嫁こと、ふくしまみかです。
十日町市民の間には「雪まつりが終わると、雪も落ち着く」という定説?があります。
が、雪が降らないという訳ではなく、3月になっても降る時は降ります。
しかし、去年と今年は降雪シーズンに関わらず雨が降る…という日も多いので、これからどうなるのか…。
あまり早く春が来すぎても、今度は山菜の良し悪しに関わってくるので、やっぱり例年通りの冬であってほしいですね。
さて、そんな意味でも十日町市民にとって根付いている「十日町雪まつり」。
前々回は「雪上カーニバル」、前回は「雪の芸術作品」についてレポしました。
yukifurusatonoyome.hatenablog.com
yukifurusatonoyome.hatenablog.com
ラストレポは、「おまつりひろば」についてレポします!
市民のおもてなしが楽しめる「おまつりひろば」
雪まつりの期間中、市内のあちこちで「おまつりひろば」が開かれます。
地域の住民の方々が屋台を出したり、子どもが遊べる雪の滑り台があったり、地域の個性が光る催しがあったり…。
中でも一番大きなひろばが、十日町高校グラウンドにできる「コミュニティひろば」。
市内の飲食店が屋台を出したり、ヒーローショーがあったり、ツマリアンボールという雪上バレーの大会があったり、一日中楽しめる場所です。
私の所属するNPOも、昨年からここでポップコーンを販売しています。
私も土曜日の午前中と、日曜日の午後は店番をしました。
ちなみに、このポップコーンは池谷集落で無農薬・無化学肥料で栽培したものです。
昨年度から市内のイベントで、集落のPRがてらポップコーンを売っています。
地域おこし活動をしていると、色んなことが経験できて楽しいです笑
去年は、子どもがたくさん集まるヒーローショーが行われる3日目、つまり一番売上がみこめる日が、あいにくの雨だったので売上はボチボチ…という感じでした。
しかし、今年は土日とも午後から天候がよく、特に日曜日は機械の製造が間に合わないぐらいに大流行り!
(まぁそもそも機械も一台は家庭用なので、製造能力イマイチなんですが…)
てんやわんやでしたが、それもそれで楽しかったです!
余裕がある時は、お客様とちょっとおしゃべりしたりもしました。
今年は去年よりも、海外からのお客様が多かった印象ですねー。
十日町にもインバウンドの波が来てるんだな~と感じました。
コミュニティひろばの中で、ひと際目をひくのが「雪上茶室」。
火焔型土器の門をくぐると…
中は、高級料亭のような雰囲気!
土日には無料で抹茶のふるまいが行われ、ちょうど店番が終わったころにあったので私も行ってきました。
雪の上の茶室って、なんだか風情があります。
カメラマンの方もたくさんいらっしゃっていました。
お干菓子もお抹茶も、とってもおいしかったです!
雪国文化を味わえる、十日町雪まつり!
十日町の中心市街地で行われるおまつりは、2月に十日町雪まつり、5月にきものまつり、8月に十日町おおまつり、10月に生誕地まつりと非常に数が多いです。
でも、雪まつりが特別なのは、市街地だけでなく周辺地域でも「おまつりひろば」や「雪の芸術作品」があり、ひろーい範囲でおまつりをやっているということ!
今年は雪像めぐりもして、雪上カーニバルにも行って、コミュニティひろばで出店もして、市街地も歩いて、雪まつりの規模の大きさを体感できました。
今年で68回目と歴史が長いまつりだけあって、市民に本当に愛されているまつりなんだなぁ!としみじみ感じました。
雪の季節は外出が億劫になりがちですが、もっともっと大勢の人に十日町雪まつりに来てもらいたい!
雪国という土地ではぐくまれてきた文化や、人々の温かさを味わうにはもってこいなおまつりです。
==関連記事==
yukifurusatonoyome.hatenablog.com
yukifurusatonoyome.hatenablog.com
十日町雪まつりに行った気になれるレポ ~雪の芸術作品編
雪ふるさとの移住嫁こと、ふくしまみかです。
2月17~19日に行われた、十日町市の一大イベント「十日町雪まつり」。
前回は、メインイベントである「雪上カーニバル」についてレポしました。
yukifurusatonoyome.hatenablog.com
とにかく3日間はしゃぎすぎて、自分で思っていたよりも疲れたらしく、
昨日は燃えカスのようでした…(仕事には行きましたが)。
それだけ、雪まつりが楽しすぎたってことです笑
さて、十日町雪まつりの楽しいポイントは雪上カーニバルだけにあらず。
今日は、市民が作る「雪の芸術作品」についてご紹介したいと思います!
雪像の域を超えた、雪の芸術作品
「雪を友とし、雪を楽しむ」という住民の想いで始まった、十日町雪まつり。
市民が作る「雪の芸術作品」は雪まつりの原点というべき見どころです。
市内全域に、芸術部門、特別部門、学童部門の作品が合計で70点も点在しています。
特に審査が行われる芸術部門の作品は、とにかく見ごたえが半端ない!!
言ってしまえば「雪像」なんですが、雪像の域をはるかに超えた、まさに雪のアートです。
作品は、審査員が作品を回る雪まつり初日17日の夜に完成します。
作品が一番美しいこのタイミングを狙って、作品めぐりをしてきました。
めぐり始めて最初の方の作品は、まだ最後の仕上げをしているところもあり、一生懸命に作っている方の姿も感動します。
もったいぶらずに、トップ入賞の作品から!
芸術部門34点のうち、22作品が入賞します。
トップの市長賞は2作品!(審査員が二手に分かれて審査するので)
まず1作品目は、七和地区振興会の「アリスが迷い込んだアンコールワット」。
とにかく、ここは世界観が独特!!
昨年は「本当にあったもう一つのアリス」という作品で、アリスシリーズでした。
去年も市長賞を獲得しているので、2年連続です。
うーん、引き込まれますね…。
来年はどんなモチーフなのか、今から期待が高まります。
もう一つの市長賞は、水沢雪まつり会の「蒼天」。
ここは、和のモチーフが多いですね。
あと雪のなめらかさが美しいんですよ~!
龍が持っている玉や、雲のすべすべ感がたまらないです。
うーん、雪とは思えない造形のこまかさ…。
素晴らしいです。
迫力ある2位作品!
実質の2位となる十日町市観光協会長賞は、アウト・ドア・ファミリー4クラブの「古城 零れ桜の頃」。
熊本城をモチーフにしたそうです。
ここは人物の雪像がいつも上手だなーと思ってみています。
ちなみに、到着した時は雨除けのためブルーシートをかけていたんですが、私たちが大勢で行ったからか、外してくださいました。
審査員が来る前に雨で少しでも崩れてしまったら嫌だろうに…。
でも、見物に来たお客さんが見られるようにシートを外してくれたところに、十日町の方の温かさを感じられてとても嬉しかったです。
無事に2位入賞できて良かったです!
夜空に雪の熊本城が映えて、とっても綺麗でした。
もう一つの2位作品は、十日町市議会議長賞の本町一丁目四区合同「GoーギDoー‼」。
(夜回れなかったので、翌日行ってきました)
もうもう、大迫力!!
遠近感があって、本当にモンスターが襲ってきたかのようなリアルな作品でした。
作品の説明も丁寧にありました。
「ごーぎどー!」というのは、十日町弁で「すごいな!」という意味。
本当に「ごーぎどー!」と言いたくなるような、大迫力作品でした。
十日町らしいモチーフの作品
様々なモチーフの作品がある中で、十日町ならではの作品も。
愛ing下条の「十日町の、おくりもの」(十日町農業協同組合経営管理委員会長賞)は、伊調選手の国民栄誉賞受賞のお祝いに、十日町の着物を贈ったエピソードをモチーフにしたそうです。
十日町には女子レスリングの合宿所(桜花レスリング道場)があるため、女子レスリングとは深いかかわりがあるんです。
上新田いずみ会の「どき土器わく輪く」(キリン賞)。
この発掘している人が、なんかツボでした…笑
裏には、新潟県のゆるキャラ・レルヒさんとトッキッキ、十日町市のゆるキャラ・ネージュが。
なんだかぎこちない感じが…可愛かったです笑
私のお気に入り作品
どれも素敵なんですが、なかでも私が気に入った作品を2つご紹介。
一つは、田麦有志と日本大学芸術学部の「浮世の苦楽は壁一重」(十日町織物工業協同組合理事長賞)。
表には、ふくふく顔のえびす様が。
さすが、日大芸術学部の鞍掛先生と学生さんが関わっている作品だけあります。
タイトルにもモチーフにもセンスを感じられる作品でした。
もう一つは、あてま有志の会の「森の隠れ家」(十日町平成ライオンズクラブ賞)。
ろうそくの灯った回廊を進んでいくと…。
林の中に作品が!
場所とメルヘンな雪像がマッチした、アイディア作品です。
なんだか、とってもディ●ニーっぽい…笑
犬のとぼけた表情と、おしりに癒されます笑
雪国人の本気を見よ!
さて、8作品ご紹介してきましたが、まだまだ素晴らしい作品はたくさんあります。
何しろ入賞作品だけでも、22作品ありますから…。
入賞作品は公式HPでも紹介されていますが、やっぱり実物を見てほしい!
体感型だったり、裏表があったりと、どの作品も色んな工夫がされています。
雪の質感を感じられるぐらい近くで見てもらうと、さらに感動すること間違いなしです!
ぜひ来年は、直に見に来てくださいね☆
==関連記事==
yukifurusatonoyome.hatenablog.com
yukifurusatonoyome.hatenablog.com