隠れ奇祭・新水のドウラクジンには「アレ」がある…!

寒い日が続きますね~。そんな日には温泉に入りに行きたい、雪ふるさとの移住嫁こと、ふくしまみか(@ijyuyome_yuki)です。

1月もあと2日で終わりですが、まだまだ小正月頃のネタがありまして…笑。

今回は、飛渡地区新水(しんずい)集落のドウラクジンとハネッケーシについてです!

 

新水のドウラクジンには、「アレ」がある…!

私がいつもお世話になっている飛渡地区の新水集落では、どんど焼きを「ドウラクジン」と呼んでいます。

実は今まで他の用事とかぶっていたりして行く機会がなく、今年初めて本物を見ました!

場所は、新水集落の鎮守さま。

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鳥居の奥にそびえるもの…。それが、ドウラクジン。

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でかい! いち集落がつくるものにしては、とにかくでかいです。

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特徴は、このユーモラスなお顔。

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そして…股ぐらにある、立派な「アレ」…。

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…はい、アレですね。多くは語りません(笑)。

村の方から話を聞くと、昔はつけていなかったそうで、今70代の方がつけはじめたのが定着したそうです。

無形民俗文化財に指定されたのは、これがあるからだ!なんて言う人もおりますが…ウソかマコトか…(きっとウソ笑)

 

しげしげと立派なドウラクジンとアレを眺めていると、着火の時間がやってきました。

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しかし、ここでハプニング。

昨年は収穫時期の雨がつづき、ワラがしっかり乾燥しなかったため、ワラの燃えがひじょーーーに悪い。

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炎が勢いよく燃え広がらず、苦戦…。

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ま、こんな年もありますね!

 

ドウラクジンを燃やし始めると、「オンビロ」というものをつかってその年の豊作を占います。

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このオンビロを、燃やしているドウラクジンの上に放り、熱風で高く飛べば豊作なのですが…。

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今年はなかなかうまく飛びませんでした。

ま、こんな年もありますね!笑

その後は、ドウラクジンの熾火でスルメや餅を焼いて食べ、無病息災を願いました。

 

昔の人の遊び「ハネッケーシ」

ドウラクジンが落ち着くと、少し下がった広いスペースで「ハネッケーシ」をして遊びます。

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「ハネッケーシ」は昨年もご紹介しましたね。

yukifurusatonoyome.hatenablog.com

 

昔の除雪道具「コシキ」を羽子板がわりにして、羽をついて遊びます。

輪になって、どれだけ続けられるかチャレンジ!

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羽を落としてしまった人は、雪をかけられることも…。

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今年も動画を撮ってみました。


十日町市飛渡地区新水集落ハネッケーシ

つい、バドミントンのスマッシュのように上から羽をついてしまいますが、上手な方は下から突き上げて、次の人がとりやすくしているんですよね~。

集落のばあちゃんいわく、羽にあてるのもなかなか難しいとのこと。

 

この後、若者たちは日が暮れるまでハネッケーシを楽しんでいました。

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私は寒さに耐えかね、集落の方のところでお茶のみさせてもらいました笑。

きっと昔の子どもたちは、雪が落ち着いた日にはハネッケーシをして遊んでいたんでしょうね。

ハネッケーシや鳥追いのかまくらには、雪でも楽しく過ごす昔の人たちの知恵を感じます。

 

**紹介動画**


巨大羽根つき!「はねっけぇし」(新潟県十日町市飛渡地区新水集落)

 

小正月行事「鳥追い」は、いなかのハロウィン?

昨日今日と、とにかく寒いですね~。雪道運転がおっかない、雪ふるさとの移住嫁こと、ふくしまみか(@ijyuyome_yuki)です。

私の職場は山の上にある木造の旧分校。事務室はストーブをつけるので温かいのですが、台所や廊下はとにかく寒い!

台所の水盤が凍ってアート作品のように。

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上の写真は、昨日の様子。今日になると、さらにアートが育っていました(笑)。

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さて、前置きが長くなりましたが、今回は小正月行事の一つ「鳥追い」についてご紹介します!

 

「鳥追い」って?

鳥追い(とりおい)とは、小正月(1月14日 - 15日)に行われる年中行事のひとつ。
主に東日本の農村において行われる行事で、田畑を鳥の被害から守ることを祈念して行われる。この行事は、主に子どもが主役となって行われ、地域によってやり方は異なるが、木や藁・正月に使われた注連縄などで小屋をつくり、その小屋を小正月の夜に燃やすものや、子どもたちが鳥追いの歌を歌いながら村の中を回ったり、村境まで行くものなどがある。

鳥追い - Wikipediaより引用)

 

小正月行事は色々とありますが、鳥追いは子どもが主役。

十日町では集落や町内によって違いは多少ありますが、基本的には拍子木を打ちながら「鳥追い唄」を歌い、集落を回ります。

各家の前で「鳥追い唄」を歌い、お礼にお菓子をもらっていたところもあるそうです。いなかの「ハロウィン」と言えるかもしれません!

そして、子どもたちは「かまくら」(十日町の方言では『ほんやらどう』『ほうりんどう』と呼びます)を作り、その中でお餅を焼いたりして楽しんだそうです。

 

今では子どもが少なくなり、「鳥追い」自体をやらなくなる集落・町内も増えました。

私が住んでいる町内では、青年会が主催となって今でも細々と続けていますので、ご紹介します!

 

地域の若手が頑張る「鳥追い」

昔はきっと子どもだけで作っていたのでしょうが、今では「かまくら」作りは青年会のお仕事。

除雪機を器用に操縦して、集会所の前に「かまくら」を作ります。

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そして、集会所の中では若手女性の会が慰労会用の豚汁作り。

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さすが皆さん、主婦の集まりは手際が違います…!

 

そして夕方、完成したかまくらに灯がともります。

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今はかまくらの中で餅を焼いたりはせず、神様をお迎えするだけです。

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「鳥追い唄」の独特なメロディー

子どもが集まった後、青年会の先導で町内をめぐります。伝統通り、拍子木を打ちながら鳥追い唄を歌います。

鳥追い唄は、独特のメロディーでなんだか呪文みたいです…。

今年は別の役割があって一緒に回れなかったので、写真や動画が残念ながらありません。

歌詞がどっかにないかな~、とネットで調べてみたら、なんと池谷のつぐらのお母さんが歌っている動画を発見!!


鳥追い唄

 

私が池谷に移住する前、農業研修生として2年半住んでいた方が投稿したものでした。

何かのイベントの時に歌った様子もありました。こちらの方が少し長く歌っています。


鳥追い唄

 

歌詞は違う部分もありますが、メロディーはうちの町内と一緒ですね。

町内を一周して帰ってきたあと、集会所でみんなで慰労会をします。

時代が変わりやり方は変化しましたが、大事に残していきたい行事の一つです。

 

越後の奇祭!「むこ投げ・すみ塗り」を見る!(すみ塗り編)

先日の東京の雪に負けじと、雪国・十日町も本気を出してきましたね。

そんな日に限って、珍しい外回りの予定が入っていた、雪ふるさとの移住嫁こと、ふくしまみか(@ijyuyome_yuki)です。

まぁ、雪で目の前真っ白ですよ…。それでも車で移動できるのは、除雪車さまさまですね。もちろん運転する側も安全運転で、車のライトつけてのろのろ運転です。

週末まで寒波はつづくようなので、巻き返しがどれくらいになるか楽しみです。

 

さて、前回に続き「むこ投げ・すみ塗り」の「すみ塗り」についてご紹介します!

▼前回の記事▼

yukifurusatonoyome.hatenablog.com

 

そもそも、すみ塗りとは?

こちらも「むこ投げ」同様、十日町市松之山地域で行われている小正月行事です。

塞(さい)の神を燃やした灰と雪を混ぜて墨を作り、「おめでとう」の声とともにだれかれとなくお互いの顔に塗りあうというお祭り。約600年ほど前から伝わるこのお祭りは、無病息災と家業の繁栄を祈る越後の奇習として広く知られています。

(松之山温泉組合チラシより) 

 

どうやら、「すみ塗り」の方が「むこ投げ」よりも前から行われているようですね~。

さいの神(どんど焼き、ドウラクジンとも呼ばれます)は十日町市内中で行われていますが、すみ塗りはここだけの風習ではないかと。

 

まずは、年の初めの運試し!

「すみ塗り」が始まる前に、お祓いと「福みかんまき」があります。

よく上棟式などで「餅まき」がやりますが、そのみかんバージョンですね。

むこ投げの主役カップルたちが、みかんをひたすらに投げ続けます。投げたみかんの中には、「福」と書かれたみかんが少し混じっていて、それをゲットできると福袋をもらえます。

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今年は残念ながらゲットできなかったのですが、過去2回福みかんをゲットできたことがあります!

福袋の中身は…。楽しみがなくなるので、ここでは言わないでおきましょう(笑)。

みんな、結構ガチでみかんをとるので、小さいお子さんなどは気を付けた方がよいと思います。

私の近くにいた人が、ちょうどみかんがあたってしまい、メガネが吹っ飛ばされていましたので、メガネの方も気を付けた方がよいかも。(ちなみに、飛ばされたメガネは私が慌てて拾いました笑)

 

すみ塗りあえば、みんな友だち☆

そしていよいよ、すみ塗り開始! 高くそびえる「塞の神」に火をつけます。

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塞の神のてっぺんには、誰かの書初めで「体格縮小」と…。私の願いも代弁してくれています(笑)。

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いざ点火!

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(早く燃やすために、灯油が少し使われています)

 

賽の神に火がついてしばらくすると、ホラ貝が鳴らされ、すみ塗りスタートの合図。

灰と雪を混ぜ、「おめでとー!」と言いながら顔に塗りあいます!

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すみ塗り会場には、毎年ふりこみ詐欺防止などのPRのために警察官の方が数名きていて、真っ黒に顔を塗られるのがお約束です。

すみを塗る人、塗られる人、写真を撮る人で会場はごった返し!

 

私ももちろん、塗られてきました☆

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もちろん、せっかくの無礼講のおまつりなので、すみを塗られることをオススメします! ですが、嫌な方は輪から遠ざかって見学した方が良いと思います。 

輪の中にいると、知らない相手からもすみを塗られます。それでも女の方には最初遠慮するようで、すこーしだけ塗られるのですが、そうするとすみがすみを呼び(笑)、「コイツは塗ってもいい相手なんだな!」を思われジャンジャン塗られます。

遠慮のない人は、両手でわしゃわしゃーと塗ってきます(笑)。

そして、最終的にはこうなります。

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多分、今までで一番塗られたな~笑。

でもこれ、まだ「余白」がある方ですね。地元の方たちは、誰が誰だか分からないくらい、真っ黒に塗りたくられるのが定番です。

 

すみ塗りに参加するなら、これをやっとけ!

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すっかりすみ塗りファンの私。今年で参加するのは4回目です。

ぜひもっと多くの方に参加してもらいたいので、参加する時にやっておいた方がいいことを3つあげます!

 

まず、「汚れてもいい服装でくること」。

すみは顔に塗られるので、衣服が汚れることは実際はないのですが、思いっきり楽しむためにも多少汚れてもいいや!と思える服装でくることをおすすめします。

 

そして、「タオルを持ってくること」。

一番は帰りに松之山の日帰り温泉に入ることですが、時間がない場合はすみを拭き取れるタオルを持ってくるのがいいでしょう。

 

最後に一番大事なのは、「塗られる前に、顔に乳液などをつけておくこと」!

雪を混ぜているとはいえ、すみは塗られると顔が結構ヒリヒリします。なので、乳液などで顔を保護しておくと、多少ダメージが軽減されます! これ大事!

 

来年はレッツすみ塗り♪

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すみを塗って、塗られて、会場は笑顔に包まれます。

この不思議なピースフルな雰囲気は、参加してみないと感じられません!

ぜひ来年、「むこ投げ」を見て、「すみ塗り」に参加してみてください!!